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治療院の移転に伴う原状回復工事

   ↑  2017/04/19 (水)  カテゴリー: 開業準備
原状回復義務というのは、治療院の移転や退去の場合に契約以前の状態に復帰させることを意味しています。

従って、各当事者が受領したものを元通りに返還する義務をいいます。これは契約解除の効果として発生する義務です(民法545条1項)。

なんだか、難しそうですが一緒にかんがえてみませんか?


スケルトン方式で借りたの場合


店舗用として賃貸される建物の場合は、賃借人も自らの意匠で内装を決定する場合がほとんどです。

そのため、整骨院開業の際、内装の施されていない状態で引き渡し、退去時も内装の施されていない状態で引き渡す約定となっているのが通常です(スケルトン方式)。

したがって、賃借人は自ら施した天井、壁紙を収去する義務を負担しますが、張り替えまで行う必要はありません


居抜物件で借りた場合


居抜き物件の場合には、入居時に天井、壁紙が張られていますので賃借人が退去する際に、それらについても原状に回復しなければならないのか問題となります。

天井、壁紙が通常の使用に伴う汚損にとどまるときは、賃借人がその張り替え義務を負担しないと言うべきでしょう。(建物賃貸借契約は一定期間賃借人に建物の使用収益を委ねるものであるため)

通常の使用に伴う汚損や劣化は賃貸人も当然予想しており、賃料はその対価をも含んでいると考えられるからす。

しかし、賃借人が改変を加えた場合や汚損の程度が、通常の使用の場合と比べて著しい場合には賃借人が張り替えをしなければならないと考えられます。

ところで、居抜き等の場合に、「賃借人が壁紙、天井の張り換え費用を負担する」旨の特約がなされることもあり得ますが、そのような特約も一般的に無効とまでは言えないでしょう。

しかし、

【1】入居時には壁紙、天井が張り替えられていなかった場合
【2】賃貸借期間が極く短期間で、汚損が軽微であった場合
【3】賃貸人が張り替え費用を賃借人に負担させながら実際には張り替えを行わなかった場合

には、そのような特約に基づいて原状回復費用を敷金から控除することは権利の濫用 (民1条3項)となると思われます。


対応として


賃貸借契約時に原状回復義務の範囲に付いても確認し、賃貸借契約書に引渡基準ないし、原状回復基準が設けられている時は当該基準に不合理な条項がないか確認しておくべきでしょう。

また、退去に際して、賃貸人(又は代理人)と共同で原状回復義務の範囲に付いて確認し、できれば退去前に原状回復費用について交渉、合意しておくことが賢明です。




補足
賃貸借契約に記載されている内容

「賃借人は、賃借人が設置、付加等した諸造作、設備等及び賃借人が所有し管理する物件を賃借人の費用をもって収去し、賃借人の要請により賃貸人が設置、付加等した諸造作、設備等及び賃借人の費用をもって取り外して賃貸人に引き渡すとともに、本物件等の破損、汚損又は損耗等を修復し、本物件等を原状に復して賃貸人に明けす。」

などの原状回復条項が入っていることが多いかと思います。


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この記事に含まれるタグ : 治療院 移転 原状回復工事 契約 

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